■Kinsで収集(整理)した史料一覧■

平成18年度までに収集し、整理・目録作成を済ましたものは以下の通りです。


○矢部貞治関係文書

矢部(明治三五〜昭和四二年、東京大学法学部教授、拓殖大学総長)の遺族矢部堯男氏から正式に寄贈されたもので、ダンボール五〇箱以上の量である(史料点数約一萬三千点)。既に目録四冊を平成十三年から平成十五年にかけて刊行し終わって(1書簡編、2雑誌編・書籍編・新聞編・自筆編・その他編、3冊子編、4書類編・書簡編更訂)政策研究大学院大学図書館で公開されている。なお、憲政記念館が若干史料を所蔵している。日記等を除く衆議院憲政記念館預託分は政策研究大学院大学に寄贈された。東大法学部関係、戦前期の昭和研究会、近衛のブレーン、海軍省調査課関係、戦後の拓大、憲法調査会、その他関係した諸団体関係の文書が含まれている。

○桂皋関係文書

伊藤隆がかつてインタビューをした縁で、遺族の桂雅子氏から正式に政策研究大学院大学に寄贈されたもので、ダンボール三箱(史料点数二七七点)。桂(明治二六〜昭和五九年、労務管理の専門家、中央労働委員会委員、神奈川地方労働委員会委員長)の談話速記録は、昨年現代史料出版から刊行された。目録は平成十五年十二月に刊行し、同大学図書館で公開されている。内容は、桂の戦前期の労務担当者、化学工業統制会関係、戦後の中央労働学園、中央労働委員会、神奈川県労働委員会関係のものが主であるが、特に未公刊の回想録草稿、著作物などが含まれている。

○木内信胤関係文書

伊藤隆が朝日新聞社の山下靖典氏の紹介で遺族の孝氏にお会いしてお願いし、ダンボール三〇数箱分の文書をお預かりし、仮目録を作成(史料点数約一万五千九百点)、寄託覚書交換を行ったが、その後平成十七年二月に国会図書館憲政資料室に寄贈された。憲政資料室で再整理の上、公開される予定。木内信胤(明治三十二〜平成五年、横浜正金銀行総務部長、大蔵省終戦連絡部長、外国為替管理委員会委員長、世界経済調査会理事長)の戦前の横浜正金銀行上海支店他勤務時代以降、亡くなるまでの氏の経歴に係わる史料の集積である。特に戦後の大蔵省終戦連絡部長、外国為替管理委員会委員長、世界経済調査会理事長時代の貴重な史料がある。

○樺山愛輔関係文書

伊藤隆が文春の白川氏の紹介で遺族の典和氏にお会いしてお願いし、樺山資紀関係文書と樺山愛輔関係文書をお預かりし、尚友倶楽部で仮整理を行ったが、その内樺山愛輔関係文書を政策研究大学院大学にお預かりして、仮目録を作成し、ご了解を得平成十五年寄託覚書の交換を行った(史料点数約千五百点)。樺山愛輔(慶応一〜昭和二八年)関係文書は、樺山が日本製鋼所の役員などを勤め、国際通信社、国際文化振興会、戦後の日米協会会長、グルー基金理事長などの職にあり、その関係の史料が多い。平成十七年二月に国立国会図書館憲政資料室に寄贈していただいた。

○扇一登関係文書

扇氏のオーラルヒストリーは既に終了し、既に『扇一登オーラルヒストリー』として平成十五年に刊行された。同氏の諒解を得て、お宅に残されていた海軍関係を中心とした史料をお預かりして仮目録を作成し(ダンボール十二箱追加二箱)、なお故藤岡泰周氏が所蔵されていた扇氏の伝記史料も併せて目録化した。平成十五年ご本人が亡くなられたが、長男の伸威氏と既に寄託覚書を交換した。昭和十九年に潜水艦でドイツに赴任から戦争末期のドイツでの生活までの詳細な日記、その後の日記や書類、海軍反省会の記録などが含まれている。史料点数約千六百点。平成十七年二月に国立国会図書館憲政資料室へ寄贈していただいた。

○竹本孫一関係文書

政策研究大学院大学のC.O.E.オーラル・政策研究プロジェクトの竹本氏(明治三十九〜平成十四年、革新官僚・民社党代議士)オーラルヒストリーは終了。冊子化も平成十五年に完了した。その縁でお預かりした本文書(史料点数約七千点)は仮目録を作成の上、平成十七年二月国会図書館憲政資料室に寄贈していただいた。憲政資料室は閲覧用目録を作成の上、平成十八年三月に公開した。

○中沢佑関係文書

中沢(海軍中将、昭和十八〜十九年軍令部一課長、明治二十七〜昭和五十二年)の史料が政策研究大学院大学に寄託され、平成十五年寄託覚書を交換した。大正期から戦後までの日記が中心。海軍軍令部関係の史料が貴重である。史料点数約千点。平成十八年三月仮目録ができた。平成十八年六月、山本親雄関係文書と共に、『中澤佑・山本親雄関係文書目録』を刊行、文書は国会図書館憲政資料室に寄贈され、既に公開されている。

○宮崎弘道関係文書

宮崎氏のオーラルヒストリーのブック化が終了した。宮崎氏(大正十〜平成十三年)は元外交官、駐西独大使。その宮崎氏の史料を遺族政美氏からお預かりした。平成十七年十月十四日宮崎政美氏宅から、残されていた史料を憲政資料室へ寄贈していただき、同年十月二十五日に政策研究大学院大学で保管してあった書類五箱も国会図書館憲政資料室へ寄贈していただいた。

○大中睦夫氏所蔵新自由クラブ史料

梅崎修氏等がオーラルヒストリーを行っていた大中氏(昭和一二年〜、かつて新自由クラブ事務局に総務部長等として勤務)から、主として新自由クラブ史料をお預かりした。ダンボール六箱。平成十六年仮目録を完成し、平成十七年四月に国会図書館憲政資料室に寄贈され、既に公開されている。

○黒沢博道関係文書

社会党・民社党の事務局で勤務していた黒沢氏は、政策研究大学院大学のC.O.E.オーラル・政策研究プロジェクトの社会党・民社党・労組関係のオーラルヒストリーに協力してくれていた。その関係で彼自身が所蔵していた社会党・民社党及び労働組合関係の史料を伊藤隆に預けて下さった。ダンボール三十八箱。平成十六年に仮目録を完成し、平成十七年四月に国会図書館憲政資料室に寄贈していただいた。

○羽生三七関係文書

かつて伊藤隆がインタビューを行った関係で、ご遺族と話し合い、現地(飯田)に赴いて段ボール十七箱をお預かりして搬入した。羽生(明治三十七〜昭和六十年)は戦後社会党代議士。戦前の社会運動関係と戦後の社会党関係の史料。平成十七年度で仮目録を完成。その後一部遺族からの返還要請があり、平成十八年十一月『羽生三七関係文書目録』を刊行、史料は憲政資料室に一部を除いて寄贈され、既に公開されている。

○水野家文書

清水唯一朗氏が遺族と接触して、お預かりすることになったもので、平成十五年段ボール二十八箱が搬入された。水野錬太郎関係文書は国会図書館憲政資料室に寄贈されており、一部錬太郎関係のものがあるが、息子の政直氏のものが多い。平成十八年、遺族のご了解を得て、学習院大学東洋文化研究所に移管した。

○松崎昭一氏旧蔵『昭和史の天皇』取材資料

厖大なもので、内容は、木戸幸一・大島浩以下多数の人々のオーラルのテープとそれに関連して収集された史料。武田知己氏が中心になって大東文化大学で整理を進め、平成十八年三月読売新聞社にあった史料(次項)とあわせて目録『読売新聞社「昭和史の天皇」取材資料目録』(過去のオーラルヒストリー目録1)を刊行した。近く国会図書館憲政資料室に寄贈していただく予定。現物は憲政資料室に搬入されている。

○読売新聞社にあった『昭和史の天皇』の取材資料

伊藤隆の要請により読売新聞社から寄託された。多数のテープとそれに関連した資料。前項に述べたように目録が刊行され、前項と同時に国会図書館憲政資料室に寄贈していただく予定。現物は憲政資料室に搬入済み。

○豊福保次関係文書

豊福保次(明治三十六〜平成三年十月)は有馬頼寧の秘書で、産業組合青年聯盟や革新農村協議会などの指導者。伊藤隆がかつてインタビューを行ったご縁で遺された史料をお預かりして、平成十八年三月目録『豊福保次関係文書目録』(近現代史料・関係文書目録1)を刊行した。史料は既に憲政資料室に寄贈され、既に公開されている。

○阿部勝雄日記

扇一登氏長男暢威氏の紹介でご遺族の信彦氏から伊藤隆がお預かりし、平成十八年一月二十日国会図書館憲政資料室に寄贈していただいた。昭和十三〜二十年の日記。阿部は海軍中将、軍務局長、三国同盟軍事専門委員兼イタリア大使館付武官。

○山本親雄関係文書

鈴木多聞氏の斡旋で、平成十七年七月に伊藤隆が史料を預かり、平成十八年三月現在仮目録が出来ており、平成十八年『中澤佑・山本親雄関係文書目録』を刊行し、史料も憲政資料室に寄贈され、既に公開されている。

○奥村喜和男関係文書

故竹本孫一氏の関係で遺族の石川和子氏にアプローチし、残された史料を直接国会図書館憲政資料室に寄贈していただいた。

○石井光次郎関係文書

伊藤隆が石井光次郎氏長男公一郎氏を説得し、氏が所蔵していた石井光次郎日記を中心とする石井光次郎関係文書を、平成十七年十月四日に国会図書館憲政資料室に寄贈していただいた。なおその時に伊藤隆がかねてお預かりしていた吉田茂書簡を含む書簡数通他も同じく憲政資料室に寄贈していただいた。

○下村定関係文書

『近現代日本人物史料情報辞典』の関係で伊藤隆がご遺族と接触し、ご了解を得て平成十八年三月に直接国会図書館憲政資料室に搬入し、憲政資料室が購入した。

○石射猪太郎関係文書

以前からお願いしていた遺族の虎三郎氏から寄贈の意思表示がなされ、国会図書館憲政資料室に連絡して、直接ご寄贈頂いた。

○来栖三郎関係文書

遺族にお願いしていた所、見つかったとの連絡があり、お伺いして拝見の上、国会図書館憲政資料室にご寄贈をお願いした所ご了解をえたので、国会図書館憲政資料室の人と一緒に伺って、引き渡して頂いた。憲政資料室は閲覧用目録を作成し、既に公開している。

○犬丸秀雄関係文書

城野勝人氏の紹介で犬丸氏のご遺族に面会し、史料を国会図書館憲政資料室に入れて下さるようにお願いし、諒解を得た。現在逐次宅急便で憲政資料室に送付されつつある。

○和田耕作関係文書

別に述べるように同氏のインタビューを行ったが、その際に所蔵の文書のご寄贈を依頼し、諒諾を得て、憲政資料室の人と一緒にお宅に伺って憲政資料室に搬送した。その後同氏は亡くなられた。

○風間丈吉関係文書

金杉秀信、荒川和雄両氏の紹介で、風間丈夫氏に面会し、風間文書の憲政資料室への寄贈の承諾を得た。実際の搬入は未だ。

○鍋山貞親関係文書

前記両氏の紹介で遺族に面会し、文書の憲政資料室への寄贈の諒諾を得た。一部の史料は搬入された。

○工藤忠(鉄三郎)関係文書

遺族の諒解を得て、かつてコピーしたものを憲政資料室に寄贈した。

○小幡酉吉関係文書

ご遺族の毅氏から若干の史料を提供され、近日憲政資料室に寄贈して頂くことになっている。

○古海忠之関係文書

古海建一氏から残されていたごく少量の文書をお預かりし、一月に憲政資料室に寄贈して頂いた。

○山下英明関係文書

ご本人から憲政資料室への寄贈の承諾を得た。未だ実際の搬入は行われていない。

○有馬元治関係文書

ご遺族のご了解を得て、残された史料を憲政資料室の人とお訪ねして、ご寄贈いただいた。

○その他

平成十七年二月、日本近代史料研究会が所蔵していた「東亜聯盟関係史料」も、国会図書館憲政資料室に寄贈した。同時に、(伊藤隆)個人がコピーを所蔵していた棚橋小虎日記、本庄繁日記、雑誌『創政』『経世』『新経政』(竹下派の機関誌)、「徳富蘇峰書簡集原稿」等を、それぞれ関係者の了解を得て、国会図書館憲政資料室に寄贈した。なおその他、桜田武が中心になった共同調査会関係の史料のコピー、松野頼三氏からコピーをとらせていただいた松野鶴平宛吉田茂書簡十九通他などを持っているが、これらも条件が整えば、国会図書館憲政資料室に寄贈しようと考えている。
その他、風見章関係文書を早稲田大学資料室に寄贈するのに特に日記について躊躇されていた、ご遺族の博太郎氏を説得して、最終的に寄贈に踏み切って貰った。私がかつてコピーさせて頂いていた「橋本清之助関係文書」を遺族の諒解を得て、憲政資料室に寄贈した。また私が懇意にしている三玄堂という古物商が「大岡育造関係文書」 「川真田徳三郎関係文書」他を持ってきたので、いずれも憲政資料室に購入して貰うように手配し、実際に憲政資料室が購入した。